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夜回り先生・水谷修
 私は、トート号航海日誌(読書録)というメルマガをとっています。今回は
読書録528(2005.02.28)
水谷修『夜回り先生』(サンクチュアリ出版、2004年)
水谷修『夜回り先生と夜眠れない子どもたち』(サンクチュアリ出版、2004年)
水谷修『夜回り先生の卒業証書』(日本評論社、2004年)
水谷修『ドラッグなんていらない―出会ってしまう前のきみに伝えたいこと』
 (東山書房、2004年)

でした。
 本は読んでいませんが、トート号さんの文章を読み、リンク先を読むだけでも、考えさせられることがたくさんあります。水谷修に言わせれば「答えが出ないことで悩むより、明日に向かって今やれることをやってみよう」となるのかな。
 今すぐ私にできることは、水谷修が読者にお願いしている、「夜の街のほんとうの姿を子どもたちに伝えること」なので、水谷修関係リンクを貼っておきます。

さらば悲しみのドラッグ
ドラッグのウソ、ホント
青少年の薬物汚染の実態
夜回り先生インタビュー
夜回り先生」 
水谷修の春不遠」 












 



























 内容については触れないでおこうと思っていたのですが、今、感じたことを振り替えれるように、書き留めておく。

僕はあくまで教員なんです。子どもの心に響く言葉、子どもが待っている言葉を知っています。文字ですべてを語るのではなく、文字と文字の間に想いを託す。本を読むという作業は、本から学ぶという作業ではありません。本というのは、書き手と読み手がある空間を共有し、次なるものへステップすること。


今の僕は、僕がつくったんじゃない。子どもたちがつくったのだと思っています。数日前、6年間勤めた戸塚高校定時制で離任式がありました。かつての教え子たちが集まってくれ、車が花束で埋まって霊柩車のようでした。子どもたちに僕は言った。「水谷をつくったのは、おまえたちだよ。僕は人間として、君たちから多くを学ばせてもらった。ホントにありがとう」




少女「…もう死にたい」
僕「そういえば外は今、桜が満開だよ。外に出て見てごらん。花びらを拾ってごらん、匂いをかいでごらん」
少女「先生、行ってきたよ。きれいだった。来年も見られるかな?」
僕「うん。いろんな明日があるよ。何がしたい?」
少女「考えてみる。ありがとう」

我々が行う心の相談にはルールがあって。メールの返信は3行、電話は5分、それ以上はダメ。メールでも電話でも、つらい話を聞いて受け入れてしまうのは危険なんです。つらい過去ではなく、明日を語らせなければいけない。過去を蒸し返し、自分のことしか考えられない状態を、僕は“自分の呪縛”と呼んでいます。過去を抱え込む子からいかに過去を切り離すか。外に意識を向けさせることで、救える可能性があるのです。


自分にこだわること、きついです。そこには、答えはありません。
自分はいつでも不十分な器です。これから作るものです。
その不十分な自分にこだわり、そこで悩んでも答えは出ません。
でも、苦しむことわかります。そこには、それまでにつけられた多くの傷があります。
哀しみ、憎しみ、苦しみ・・・。
でも、そこにとどまりそれにとらわれ苦しんでも救いはないです。
ともかくそれから逃れませんか。
一緒に明日を考えませんか。明日は、作れます。



実は去年ある中学校で講演をやりました。
ある生徒が手を挙げて、「どうやったらぼくたちにこわいドラッグが近づいてきませんか」と質問しました。
僕は「笑顔だよ。笑顔のある学校や地域には絶対こない」と答えました。
そうしたらもう一回手を挙げて「どうしたら笑顔があふれますか」と。
「そうだな。あいさつしてごらん。
例えば『水谷先生、おはようございます』と僕に声をかけたときに、フンとやられたら一日暗いだろう。
そのときに『おはよう!』と言われたら、一日が楽しくいくだろう」と言ったら、なんとその中学校では、明るい学校を後輩に残そうということで、まじめに挨拶コンクールを始めたそうです。
クラス対抗で。学校の中だけでは挨拶できないから、きょうは駅を回って61回とか、おれなんか83回だぞとかやり始めました。

そうしたら6月に72歳のおばあさんから手紙が校長先生に届いた。
「私はおたくの中学校の通学路に住んでいます。10年前に夫を亡くしました。子供は特攻で死んでいます。孫もいません。いつお迎えがきてくれるかなと、それだけを楽しみに生きていました。
そうしたら2月の末からおたくの生徒さんたちが、朝、家の前の掃除をしていると『おばあちゃん、おはよう』『おはよう』と声をかけてくれる。
なんだか孫をもったような気がします。おたくの学校の生徒さんが私のこころに花を咲かせてくれました。
だから生け垣と門を壊しました。そこに球根と花の種をたくさん植えました。
それが夏になって咲いたら、もって行ってください。せめてものお返しで教室に花を咲かせたい」と。
僕はこんなところに救いがあるんじゃないかと考えています。

by viewtleaf | 2005-03-01 09:34
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毎日起こった出来事を記入し、「振り返り」に活用したいと思います。写真は我が子の作品。
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