今日は、非常に貴重な体験をした。先週からカブのエンジンを分解していて、昨日で一応終わったのだが、個人的にはまだ納得しなかった(まだ分解しきれていなかったのだ)ので、本日、続きをさせていただいた。
お昼ご飯を食べて、M先生の部屋へ。すると、 「分解するの、やっぱり無理!」 へ、どういうこと?と思いつつ、先生の説明を聞く。すると、どうやら、昨日「手に入る」と言っていた道具では分解することができないことがわかった、とのこと。普通の原付だと比較的簡単に分解できるが、カブは非常に部品が多く、複雑で、原付で使えた道具(自作らしい)が使えないことを確認。で、どうするかを先生と話し合う。 本来は、このような(写真は自転車用)治具が必要らしい。 「オートバイ屋さんに持って行って分解してもらうか。」 と言っていたのだが、原付用に作った治具を見て、ここにあるもので作れないかな、となり、 「まぁ、とりあえず(エンジン部に)タップで切ってみよう(ネジ穴をあけること)!」 ということに。分解できたらいいな。 まずは、タップを切る。 思ったより簡単にタップが切れそう。期待できるかも。 今回は3番タップのみで切ることができた(タップにこんな種類があるの知らなかったよ)。写真はすべて12mm。 両方タップが切れたので、今度は治具本体の作成。まずはけがき。 穴あけはボール盤で。木工用とはひと味違う! 機械用のボール盤は初めて。円卓を中心にして回転し、さらに支柱を中心にして大きく回転する。X方向,Y方向の方が使いやすいのでは、と思ったが、実際に使ってみると、使いやすい。細かい調整はこちらの方が楽かも。回転速度は90回転/minに。ボール盤についてもっと知りたい人がいれば、別のページで特集をしますよ(誰もいないか)。 さぁ、治具が完成。エンジンに取り付けて、外す。 写真の赤丸の部分の支柱がテーパ状になっていて、これを押し込めば外れる。『がん!!!!!!』という轟音とともに外れた瞬間は最高!自分で治具を作ったのもあるので、感動もひとしお。技術の授業では、この『感動』を味わえるようにできればいいな、と思った。 中からはコイルが出てきた。ピストンが回転するとこの電磁石も回転し、電気が作られる。この電気はウインカーやブザーに使われる。 左の写真はインパクトドライバーを使っているところ。このインパクトドライバーは必需品だ。ハンマーでたたくとネジがゆるむ。 ついにチェーンが見えた! コンビネーションスナップリングプライヤでリングを外すところ。これもあると非常に便利! 今日、最も勉強になったのがこの部分。変速機を動作させるしくみがわかった。ここまではほとんど分解することしか考えていなかった(場面場面で先生から『今外したのはどういうしくみ?』と聞かれてはいたが)。今日は自分一人なので、一生懸命分解したものを組み立てなおした。そのときにこのピンが重要であることが分かった。 今日は、非常に貴重な経験ができた。『がん!!!!』という音とともに外れたときの快感・感動、あーでもない、こーでもないと試行錯誤し、しくみがわかったときの感動、充実感は、作業を通してでないと絶対に分からない。ボール盤で黄銅の角材に穴を開けるときで、貫通する直後の感触は、口では伝えられない。 技術では、『体で覚える』ことの大切さに気づくことができるように思う。職人技のすごさも、実際に自分が体験することで実感することができるのではないか。その意味で、徳島県技術・家庭科研究会のコンテンツはとてもいい。 もっともっと、エンジンのことを知りたい、と思った。詳しく知るには、書籍しかないな。 ・分解博物館 SUBARU(富士重工)EJ20G型ターボエンジン ・中日本短期大学 エンジン実習
by viewtleaf
| 2005-03-01 18:40
| 機械工学
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